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(3月7日検査当日の回想記事)
大学病院。。。第一印象
大学病院は二次医療、その為、紹介状が必要。
玲雄の腫瘍が見つかって、次の日にはこちらの先生から大学病院へ予約を入れて頂いた。
大学病院の検査日は外科外来の月曜日と木曜日と決まっていたので、最短でお願いしても検査日まで一週間。

大学病院も私には初めての経験で、事前にHPで確認はしたものの、不安はあった。
朝9:00までに受付と言う事だったので、6時過ぎには家を出た。
駐車場に着くと、既に沢山の車が止まっていた。
駐車場は結構広く、お散歩をしている子の姿もあった。
止まっている車のナンバーを見ると、遠方からの車が多い。

建物の入口は二重の自動ドアで、1枚目のドアが閉まるまでは、ボタンを押しても、二枚目のドアが開かないようになっている。
こう言う所にも、安全管理が配慮されているようだ。
中に入ると、受付、人間の内科か小児科といったイメージ?大学病院と言う感じではなかった。
受付を済ませると、待合室に入る。
待合室にはTVが設置され、広さは広めの人間の個人病院くらいで、待合室の前に診察室と書かれた6枚の引き戸があった。
中に入ると、診察室と言うよりは、小さな面談室のようで、入口の扉と平行に奥にも引き戸があり、そこから先は、全く見えない。

待合室では患者さん(飼い主)どうしで、お話をされている。
聞いた事もないような病名の子もいれば、放射線治療に毎週通っている子もいる。
術後のケアに来ていた方のお話によれば、その方は、2週間の入院中、2度面会に来られたらしい。
私が初めて検査の為に来た事がわかると「こちらの先生方は、お優しい方ばかりだから大丈夫ですよ」と。。。
皆さん、こちらは確かに費用はかかるけれど、先生方は良いし、頂くお薬も良く効くし、安心だとおっしゃっていた。
大学病院と言うと、私の中では、なんとなく敷居が高いと言うか、事務的な印象。
規則なども個人病院とは違い、形式的な事の縛りも多そうなイメージが強かったけれど、患者さん達のお話を伺っていると、人間の大学病院とは、少々違うようだった。

順番を待っている間、私は院内で、なるど氏と坊主は車で待機していたが、他にも駐車場で待機している子も多く、時折館内アナウンスで呼ばれる。
そのアナウンスは「○田 玲雄ちゃん、○田 玲雄ちゃん×番の診察室へ・・・」と駐車場まで聞こえる。
本犬だけが診察室に居て、飼い主さんを呼ばれる時、先生方は、例えば玲雄の場合なら「○田 玲雄ちゃんのお父さん、お母さん」と、どの先生も呼ばれていた。
確かに犬友間では、「○○ちゃんのパパ、ママ、あるいは父さん母さん」は普通だけれど、大学病院の先生方がごく自然にそう呼ばれていたのには正直少々驚いた。
しかし、飼い主にしてみれば大切な我が子、ましてやここに居る子達は、難しい病気の子が殆ど。
飼い主も不安抱え神経質にもなっているだろうと、これも病院側?或いは先生方?の配慮なのだろうか。。。
いずれにしても、先生方も、事務所の方も、皆さん優しく、親切で、想像していたよりも、温かな感じがした。
いよいよ検査。。。
予約して、9:00には病院へ入っていたけれど、随分待った。
二時間は有に過ぎていたと思う。
診察室に入ると、先生から、簡単な問診、既往歴などをお話した。
一般的に、検査の為の麻酔は時間も短いので、危険は少ないらしいが、玲雄は高齢、且つ、リパーゼの数値が異常に高いので、元気な子に比べるとリスクは多い旨、先生から説明を受けた。
ここで同意書にサインをする。
正直、私はこの時点でも、内心「連れて帰りたい」と思っていた。
玲雄を預け、お迎えは夕方と言う事で、私たちは病院を出た。
「待っていても良いですか?」と、お尋ねすると、「良いですよ」と、おっしゃられるが、前後の会話から、どうも本音は外出して欲しいのでは?と、私は感じたけれど、気のせいかも知れない。

ひとまず町に出て、観光案内所へ向かった。
手術が決まれば、私はとりあえず、こちらに暫く滞在するつもりだったので、まずは宿探し。
病院の徒歩圏に宿泊施設はなさそうなので、近くの温泉街で、バス停など、利便性が良さそうなビジネスホテルを探し、町の様子もある程度把握しておくつもりでいた。
幸い、若い頃、出張の多い仕事をしていたので、知らない町で、ホテル暮らしをする事に不安は無い。
それでもせっかく時間が有るのだから、電車やバスの時刻表、宿のパンフレット、周辺の案内地図など、頂ける資料は持ち帰って、準備をするに越したことは無い。
一通り町を見て回り、食事をし、それでもせいぜい2〜3時間、結局早めに病院へ戻り、駐車場で休んでいた。
途中心配して友達も来てくれたが、検査の結果を伺う為に診察室に入ったのは、夕方の6時は過ぎていたのでは、なかっただろうか。。。

画像を見ながら先生が説明される。
恐らくは肺癌、或いはリンパ節の腫瘍。
一応、細胞の一部は取ったけれど、肺や心臓に隣接している場所なので、傷つける恐れがあり、最小限にとどめたと言う事で、はっきりとした診断は、手術時に開けた上、組織検査に出さなければ断定はできないようだった。
ただ、画像で見る限り転移は見られず、今なら摘出可能、しかし、玲雄の場合は一般的なこの手術より、年齢、リパーゼの数値等、リスクは高いらしい。

私は、玲雄の性格、年齢を考えると、手術、入院は、玲雄の負担が大きく、不安だと正直にお話した。
それでも、「この子は元気なので、この先まだ何年と寿命が有るかもしれないのに、手術をせずに、諦めて良いのですか?」と、言うような事を先生は言われ、熱心に説明してくださった。
それでも「手術はしたくない」私の心の底からこの気持ちが消えない。
なるど氏は先生に質問もし、手術を前提に先生と冷静に話合っている。
私は、二人の話を聞きながら、恐らくそれが最善の方法なのだろうと思いながらも、納得と言うよりは、諦めのような気持ちで聞いていたように思う。
結局最短で手術の予約をし、病院を出た時は日も暮れていた。
大学病院の手術日は原則毎水曜日、予約も多く、玲雄の手術は翌翌週の水曜日に決まった。