先生とのお話の中で気づいた事。。。
大学病院とは、どう言う所なのか。。。
なんとなく、物事が事務的、機械的に運ばれていくようなイメージが私にはあり、先生とお話するまで、先生に対しても失礼だけれど、玲雄を託す先生の事を全く知らないと言う不安があった。
掛かり付けの先生ならば、そこにはこれまでに積み重ねた時間や経験があるけれど、大学病院の先生とお目にかかったのは、手術当日で2回。
玲雄にとっても全く知らない相手で、本犬は、病気を治してくれる人だと言う事も理解できない。
攻撃性こそ無いけれど、なかなか人に心を許さず、なつかない玲雄。。。
大手術(と、言っていいと思う)の後、一変した環境に順応するのだろうか。。。
私にとって最大の不安は、病気そのものよりも、玲雄を数週間、入院させる事だった。
自分の中で一人考えていても不安は募るばかり、思い切って先生に、その時案じていた事、お聞きしたかった事を、伺ってみることにした。
最初は私の方も、言葉を選びながらではあったけれど、できるだけ、率直にお話しするよう心がけた。
先生も率直に答えてくださったように思う。
話して行くうちに、それぞれの立場で、相手に対する配慮や遠慮が、誤解や不安を生じる事もあれば、ストレートに伝えることで、簡単に問題が解決する場合も有ると言う事が解って来た。
ちょっと考えればわかる事だった。
患者の事も患者の家族の事も情報源は検査結果と紹介状のみ。
先生方にとっても、患者の家族は未知の相手で、千差万別。
しかも大学病院へ行くと言うのは、かなり難しい病気、或いは命にかかわる状況が殆ど。。。
患者の家族皆が皆、冷静で居られるわけではないだろう。。。
そのような状況の中、最悪の事態の可能性まで先生方は話さなければいけないのだから、言葉を選びながら、慎重になられるのは当然だ。
先生方も患者の家族に対して、かなり神経を使われているのではないか。。。と。
私自身も、そのくらいの事に、考えが及ばないほど、余裕が無かったということだ。
その事に気づいてから、自身を少し客観的に見られるようになり、頭の中で、その時に話しておくべき事、お聞きしておきたい事など整理がついた。
先生にとっての優先順位、或いは、何に対して危惧されているのかも理解できたように思う。
相手の立場や考え方が多少なりとも理解できれば、信頼も生まれてくる。
信頼が生まれれば、コミュニケーションが取れるようになるので、不安やストレスは軽減され、冷静に物事を考え、判断できるようになり、自分のすべきことも見えてくる。
先生にとって、私は面倒な患者の家族だったかもしれないが、私は時間を割いてくださった先生にとても感謝している。
この機会が無ければ、私は、一旦自宅に戻っても、自宅でじっとはしていられなかったかもしれない。
結果、玲雄の治療の邪魔をしていたかもしれず。。。
今になって思えば、沢山の患者の家族を見て来られた先生には、それが解っておられたのかもしれない。
退院の際、ただ自宅で待っていただけの私に「お母さんも良く頑張ってくださいました」と先生。
先生は、私の心中も察してくださっていたのだろう。